2006年9月のコメント

9月の声を聞くと、毎年秋の食材のメニューと同時にクリスマスの事を考え出します。こうして15年もイギリスで買ってきたウエッジウッドのセージグリーンのフルセットでセッテイングをして前菜・魚料理・肉料理・デザートを作って並べて楽しんできました。

今年はどんなメニューにしようかまた頭を悩ますところです。先月のニューヨーク仕込みのベーグルは日本のベーグルとは違う、もちもちしていてまわりがカリッと、そんなニューヨークのベーグルの作り方とスモークサーモン・野菜・パイナップル・ブルーベリーをたくさん入れたクリームチーズと共においしく、お伝えすることが出来ました。

それをニューヨークで人気のレストランで多く使われているVilleroy & Bochの白いお皿やWILLIAMS-SONOMAで購入したキッチンウエアにのせて、子羊やボストンスタイルのチャウダーもモダンアメリカンで好評でした。

こうして新しいメニューやテイストを作り出すことは、とても大変だけれどレッスンを終わってお帰りになる時の笑顔がいつも、わたしのエネルギーの源であります。私は誰かを幸せにして差し上げる、最高の幸せを味わわせて頂いているのだと思っています。

さて、7月のシンガポールでのお料理コンテストのアジア大会で優勝したメニューがシンガポールの雑誌などで紹介されているようです。日本のヘルシーな素材は、人気が高く、お醤油とだしの甘辛いテイストが欧米だけでなくアジアの人々にもうける様です。

イギリス・香港・ニューヨークと駐在してヨーロッパ・アジア・アメリカの人達と接するチャンスがあって、近年は和風のお醤油とみりん・砂糖・酒などの味がとても人気がある事を感じます。ただ海外の国の人々が食事は食べに行くもの、買ってくる物の感覚が、最近では日本もけっして例外でなくなってきている事は、日本の奥さんは皆お料理が上手と思われていたのに、実に残念な気がします。

長年お料理を教えてきて、お料理上手にして差し上げる事の一番は何よりも作った人が食べた人からほめて頂く事でしょう。「凄いね。上手ね。」って褒められれば嬉しくなって、また頑張ろうとまた作り、褒めてもらってまた作ることの繰り返しで上手になっていかれた方が多かったです。

家族の人数が少なくなり、女性も結婚しても働く事が当たり前、また男性もお料理をすることが日常になっているこの頃、これからの私の課題は今まで500近く作ってきたレシピのおいしさを限りなく保ちながら簡単に作れることと少人数でのレシピ作りにトライすることだろうと、今後の方向が見えてきた気がします。

15年間子育てと、海外勤務や仕事が忙しくてほとんど留守がちの夫をささえ、一人で家庭を守りながらの仕事と主婦の両立は、睡眠時間を削っての積み重ねでしたが 2人の子供も上は社会人、下が大学3年生となりそろそろ長い子育てのお荷物をおろして 自分が海外、国内で勉強した事を「人を輝かせる為」のレシピ作りや本の制作に時間をさいて行きたいと思っているところです。

9月のミルフコースは7月にシンガポールに行ったこともあり、カレー味のシンガポールビーフン、前に生徒さんからリクエストがあった、エビのマヨネーズ和え、皮から作る水餃子と泡立てもしなで混ぜるだけなのにどこかのケーキ屋さんのオリジナルのおいしさのチェリーチーズクラフテイです。なかなかの出来だと思ってます。

10月は槻谷さんちの「おいしいのに簡単に作るおかず」を紹介したいと思ってます。実は私自身も、仕事と家庭を両立させている超ハードは主婦の一人です。レッスンの合間の30分で夕食や、クラス一おいしい槻弁と言われたお弁当を毎日作ってきた母親です。

どんなに忙しくても、家族の食事作り手をぬかずに、色々の事をかかえて帰ってくる子供たちを家庭でささえることのおおきなポイントに「ご飯つくり」があったこと身を持って体験してきました。駅まで送り迎えをしてきた娘にある時、「おかあさんって、キャリアウーマンと私たちのめんどうを両方やってるからすごいね。」や「お母さんのご飯に頑張れって言われてみたいで、励みになるね。」などの言葉に、疲れを忘れて頑張って来たような気がします。

そんな経験からも家庭での食事作りのお役に立てるよう、手早さとおいしさ、簡単の要素をふまえたレシピ作りを今後の課題にしていくつもりで励んでいきたいと思います。

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